
それは、ポップが来て数日してすぐに「おかしいな」と思った。
歩き方が、明らかにアミとはちょっと違う。
腰を振るような、お尻を振るような・・・膝がぐらぐらしているかんじで、初めは両足がそうかと思ったけど、なんとなく、左足の膝と太ももに力が入らないような歩き方をしている。
ご飯を食べる時も、ちょっと疲れるのか、左足を上げたりする。
右足を拭く時、左足だけでは立つことができない。
散歩で疲れると、両手と右足だけの3本でしか歩けなくなってしまう。
病院では、触診で「左膝のお皿が外れてしまう」と診断され、直すとしたら手術しかないと言われた。
ポップは年齢も分からないし、負担が大きすぎるのではないかと、手術するにはかなり悩んだ。
だけど、病院の先生が手術より心配していたのは、私たちとポップとの関係と、ポップ自身の気持ち。
レスキューされ環境が急に変わり、ちょっと慣れてきたところで、痛いことをされる・・・関係が振り出しに戻って、ポップ自身にもさらに気力が無くなってしまうのではないかという事。
ポップの足が日に日に弱くなる気がする。
2006年3月4日、良くなる事だけを信じて、手術をする事になった。
当日の朝はポップを預け、足の膝に外れないように金具を施し、一緒に避妊の手術をして夕方には終えるはずだった。
夕方7時、エッスの携帯に電話が入った。「足も避妊も手術は成功」喜んだ。
・・・でも、その喜びと同時に、繁殖場でのポップの悲しい成長を知る。
手術前のレントゲン検査で、膝のお皿下に古い骨折の跡があったという。
すでに骨折は完治しているが、それはきっと、骨折を誰にも治療されず、そのまま適当に骨がくっついたのだろうと言う。なので両足の長さがかなり違っていた。
そしてそれが原因で、皿が外れていたという。
ポップの膝が外れるのは先天的なものではなかった。
悔しい。
ポップは長い事、片足をかばう生活をしてきた。そのせいか、前足の力がやけに強く、スタイルも上半身がやけに太く、お尻が萎んでいるように、とっても小さく、頼りない。
そんな事さえなければ、今頃うちで、自由に走り回っていたかもしれない。
悔しいし、ポップが不便でかわいそうでならない。
そう思うと、ついついメソメソしてしまう。
繁殖場の汚い小さなゲージに押し込められ、次はいつご飯食べられるか、水が飲めるか、何も期待せず、空腹にも、のどの渇きにも、足の痛みにも、暑さにも、寒さにも、隣りのゲージで朽ちてゆく仲間にも、ただひたすら耐えてきた。
ただひたすら丸まって過ごしていた。
手術からもうすぐ半年。
歩き方はあまり変わっていないけど、立ったり座ったりがスムーズになった。3本足で歩く事もなくなった。
前よりは、ぜんぜん良くなったと思う。
走り回るポップをいつか見れたらいいなー。
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