ポップさんとのあゆみ

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怖い。抱っこして。
なぁに? しっぽ上がった!砂浜、気持ちいいね。 誰か来た・・・ へへっ。この花、おいしそ〜。



 もう一匹、犬が欲しい。
きっと、いつも一人でお留守番しているアミにとっても良い事だろうと、軽い気持ちでそこを訪れた。
2005年9月3日。
そこは、100匹近い犬が、つぶれた繁殖場からレスキューされて、里親を待っているボランティアさんのところ。
とにかく犬がいっぱいいる。
私が思っている「普通」ではない。「なんでこんなにがりがりなの」「なんでこんなに臭いの」
「なんでこんなにハゲハゲなの」「どうしたらこんなふうになっちゃうの?」・・・
たぶん、ほとんどの人がそんなふうに思ったかもしれない。「普通でない」・・・・・。

 私達が行った時は、柴犬と、コーギーが多かったように思ったけど、ずらっと並んでいるゲージを一つ一つ、
一匹一匹見る余裕なんて、なかった気がする。
エッスと2人で、どよ〜んと、気持ちが沈んでしまった。

 ボランティアさんに「どの子にしますか?」と聞かれ、「一匹」を選ぶ勇気がない。
正直なところ「一匹」だけを選ぶことに罪悪感さえあったような気がする。どの犬でもいい。
どの犬でも飼ってしまえば同じ様に可愛い。だから順番に並んで、「はい、あなたはこの子ね」と、渡されてもよかった。
だけど、連れて帰るからには、私達が選ばなければならない。
「どの子にするか決まりましたか?先住犬と似たような犬種の方がいいかもしれませんね」とアドバイスされ、
柴犬の方に行く。みんながアミと重なり、顔が可愛いとか、若いとか、そんな事は別にどうでも良かった・・・
もじもじしている自分自身にも苛立ってきた。なので思い切って、言ってみた。
「この列の、左から2番目の子に・・・します。」適当に言ってみた・・・・
あまりにも無責任だと思われるかもしれないけど、本当に「一匹」を選ぶ理由が見つけられなかった。

 その「左から2番目の子」は、エッスに連れられ、外に出た。
アミとのご対面。
普段ならガウガウするアミカは、なぜかその犬には無関心のようで、こっちが驚いた。
エッスがその犬に向かって「一緒に帰ろーな」と、小声で言っていた。それからは、早かった。
うちの住所を書いて、写真を撮って、気がついたら、ゲージに入れたその犬を、エッスが車に乗せていた。

 帰りの車の中で名前を考えた。
えーと、、、「今日は9月3日だからクミは?」ーダメ。アミと似てるから。
あれこれ考えて、「楽しそうな明るくなるような名前にしよう!」という事になって、
じゃぁ、、「ポップにしよう!」・・・ポップアートのポップ。
アミカがイタリアンぽいので本当はポップもイタリアンぽいのがよかったけど、まぁーいぃ。
ウォーホルはイタリアが好きだったらしいからその辺でつながる!と、無理矢理すぎる納得をした。

 気がついたら、散歩中にオスなみにシッコかけまくり・・私はウォーホルやキース・ヘリングが好きだけど、
彼女はバスキアって感じらしい。

 エッスと私、アミカとポップ、この日から我が家は4人暮らしになったの・・・♪




 私は、犬の繁殖がどんなふうに行われているか、そこで始めて知りました。
アミを購入したような犬舎が普通だと思っていたので、ポップ達を見た時、まるで地獄だと思いました。
 里親さんを待っている犬たちがたくさんいる事も知りました。もう絶対、犬を買わないと思いました。

 特定の犬種を欲しいと思っている人もいるかもしれません。
私だって、アミを買うときは柴犬が欲しかったし、飼っているからにはやっぱり柴犬は可愛いと思う。
里親さんを待っている柴犬だってたくさんいます。「仔犬をペットショップから買う」というのだけが、
特定の犬種の犬を飼う方法ではありません。
 雑種か、血統犬かには私は大きな違いはないように思います。
しいて言えば、容姿、大きさや、毛量などが想像できるくらいでしょうか。
 昔飼っていた犬は、小学校の帰りにもらって来た白い雑種リキでしたが、アミもポップもリキも家族になってしまえば、ただひたすら可愛い。
性格や個性は飼い主で決まる。犬種じゃない。

 あの日、「もし、この子達に誰も里親さんが見つからなかったら、みんなどこへ行くのかな」と想像した。
私が救える小さな命は、一生のうちで、たったの1匹か2匹かもしれない。
このレスキューだけでも100匹近くいたのに・・・・・



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